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第35話 理由があって欲しい

Auteur: 雨音休
last update Date de publication: 2026-05-11 05:27:57
 朝。ノーファンの村の道具屋前。

 空を見上げると鉛色の空があった。雨が降り出しそうな曇り具合である。ゲーム世界にも降るのだろうか? トウマはそんな疑問を覚えた。

 辺りを通りかかる人々の様子は、今の空のようにどんよりとしたものである。映る表情は、絶望、落胆、苛立ち。金稼ぎが上手く行っていないのだろう。しかし人々の瞳だけは爛々らんらんとギラついている。

 今、トウマとウミは、ベルフラウが来るのを待っていた。待ち合わせ時間は約束していないのだが、一緒にゲームをする約束はしている。だけど中々現われない。

 ウミがぼやくようにこぼした。

「トウマ、師匠が来ないですぅ」

「そうだな」

「いつ来るんでしょうか?」

「それは、俺にも分からないな」

 トウマがログインする前、左隣のブースからはVR機器の作動音が聞こえていた。なので、ベルフラウはすでにゲームをプレイしているはずだ。今頃どこで何をしているのだろうか?

 トウマはステータス画面を出してみた。フレンド項目をタップする。ベルフラウはログインしているようで、緑色のランプが点灯していた。通話をできるらしい。

「電話をかけられるみたいだな」

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  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第39話 邪蛇討伐の証

     ついに邪蛇狩りが始まった。 満天の空の下。山の上の地面の土は硬く、背の低い雑草が絨毯のように生えている。トウマとウミは、大きな岩の後ろに隠れて山頂の様子を見守っていた。今までずっと登山して来たのだ。 ちなみに先ほど夕食を食べた。昼と同じカレーライスである。もう飽きた。 山頂にはキャンプファイヤーが焚かれているようで、その煙がモクモクと上がっている。炎の灯りに照らされて、人々の戦う様子がよく見えた。 邪蛇、グランツエル。そいつは紫色に輝く肌をした大蛇であり、電車一両ぶんほどのサイズがありそうだ。まるで龍のように美しい。右に左にうねって地面を這い、人々に襲いかかる。 人々の先頭にいる

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第37話 守る理由

     昼食時。 トウマは一度ログアウトをした。狭いマットルームに戻ってくる。毎度のことながら味の選べるログネストラーメンを注文し、割りばしですすって食べた。全ての味をすでに食べ尽くしたせいで、もう飽きてしまった。ちなみに今日の味はミソである。 ベルフラウと会って直接話をしようと思い、隣室の気配を探ってみる。だけど彼女がログアウトしてくる様子は無い。一時間待って、トウマはがっかりと肩を落とす。(真帆は昼食を摂らないのか?) 仕方無く、ゲーム内に再び戻った。 山壁の根元にぽっかりと空いた洞窟。周囲の壁は岩のように硬い。まるで獲物を飲み込むために大口を開けたクジラの口のようだ。これはダンジョン

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第22話 容姿も武器

     村の服屋。 そこは宿屋の隣の直方体の建物だった。セルティラン衣服店と書かれた看板がでかでかと出ている。ベルフラウは顔だけ振り返り、口の端に笑みをたたえる。ふふんと笑った。やはり偉そうな態度だ。「うふふん、ここよ」「はいですぅ!」 ウミが元気に右手を上げた。扉を開けて三人で入室する。 こぢんまりとした木造の室内。さぞかし多くの服が飾られているのだろうと思ったのだが、一つも無い。だけど店の奥では何かの作業の音が響いていた。 ベルフラウは迷わずカウンターのそばへと歩み寄る。女性店員に話しかけた。「ふふん、こんにちは」「はい、ここは衣服店です。服の作成をご希望ですか?」「そうよ。

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第8話 優しさなんて、関係ない

    森の道へと入った。 木の葉からこぼれる太陽の日ざし。茶色い小鳥が木枝から飛び立った。落ち葉の多い地面。空気は澄んでおり、森林浴にはもってこいだ。 森の奥へとウミはどこまでも逃げて行く。その背中をテラーウルフが追いかける。そのまた後ろをトウマが追跡するという構図だ。 可愛いは正義勢:ウミちゃん逃げて! 古参ニキ:死んだと思ったらまだ生きてる。 開けた大地にたどり着くとトウマは唱えた。安っぽい木の杖を構える。 「グラヴィティライン」 トウマの杖から青黒いロープが伸びた。テラーウルフの足に巻き付いて拘束する。 「がうばうっ!」 走っていたテラーウルフは前のめりに

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