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第35話 理由があって欲しい

Author: 雨音休
last update Petsa ng paglalathala: 2026-05-11 05:27:57
 朝。ノーファンの村の道具屋前。

 空を見上げると鉛色の空があった。雨が降り出しそうな曇り具合である。ゲーム世界にも降るのだろうか? トウマはそんな疑問を覚えた。

 辺りを通りかかる人々の様子は、今の空のようにどんよりとしたものである。映る表情は、絶望、落胆、苛立ち。金稼ぎが上手く行っていないのだろう。しかし人々の瞳だけは爛々らんらんとギラついている。

 今、トウマとウミは、ベルフラウが来るのを待っていた。待ち合わせ時間は約束していないのだが、一緒にゲームをする約束はしている。だけど中々現われない。

 ウミがぼやくようにこぼした。

「トウマ、師匠が来ないですぅ」

「そうだな」

「いつ来るんでしょうか?」

「それは、俺にも分からないな」

 トウマがログインする前、左隣のブースからはVR機器の作動音が聞こえていた。なので、ベルフラウはすでにゲームをプレイしているはずだ。今頃どこで何をしているのだろうか?

 トウマはステータス画面を出してみた。フレンド項目をタップする。ベルフラウはログインしているようで、緑色のランプが点灯していた。通話をできるらしい。

「電話をかけられるみたいだな」

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